夜の森を歩き続けた。
足もとで落ち葉がかさりと鳴る。
立ち止まると静けさに包まれ、
星の光は木々の向こうに隠れた。
しばらく進むと、つばめ岩が姿を現した。
ひんやりとした岩肌に
小さな背中をすっぽりあずけると、
終わることのない内側の声が響きはじめる。
岩に吹き込む風が
やさしく背中を押すように響く。
たちどまらないで、と。
一呼吸おいてまた歩きだす。
やがて、森の向こうが微かに色づき、
朝日が温かく照らしはじめる。
瞳にたまった雫を乾かしていく。
あたらしい一日が そっと ひらいていく。
「朝に出逢えたヒメネズミ」
10×10cm, 北杜市産クルミ板にリキテックス
八ヶ岳にすむいきもの やつにまる
