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Diary

源平

By 2022-02-20No Comments

テレビアニメ「平家物語」と大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。これは偶然そうなったのか意図してそうなったのか、いま同時期に放映されている。同時代を源氏(北条家)、平家それぞれの側から描いており、異なった角度から焦点をあてることで立体的な世界が浮かび上がってくる。表側・裏側双方の思いや感情の蓄積を感じることができ、より理解が深まっていく。

「平家物語」は、山田尚子監督、吉田玲子脚本のスペシャルタッグ。主人公の琵琶法師の女の子 びわは目を閉じることで未来が見える・・というか見えてしまうのだが、変えられない運命の中で、それでもその時々を美しく生きている。歴史を知る現代人が劇中に入りこんだような、そんな風にも思える。戦さでの勝利を美化していく歴史だけではなく、その時々の人々が何を恐れ、何に楽しさを感じ、どう時をすごしていたのか、女性の監督、脚本家だからこそ描くことができる瑞々しさ、そういう表現に惹かれる。

羊文学の主題歌「光るとき」がまた素晴らしく、アニメの世界観を切なく熱く歌いあげていて、オープニングを見ると胸が少し苦しくなる。作詞作曲をする塩塚モエカさんはシガーロスが好きなようで、通底する感覚的なツボが何かあるという気がした。

順序が逆になってしまったが「平家物語」で一番惹かれたのが絵の表現や色づかい。簡略化し大きな色面を使って平面的に描かれてるが、奥行きや丸みを感じる。色使いもとても綺麗だなと思った。高野文子さんの生み出す可愛いらしいキャラクターが画面の完成度をけ決定的なものにしてる。
オープニング動画のリンクを貼っておいたのでよかったら見てみてください。